introduction
A story of secca
そう、たとえば。河原に落ちている石ころを、
愛する人から手渡されたら、
それは他の石ころよりも大切なものになる。
そう、たとえば。河原に落ちている石ころを、
愛する人から手渡されたら、
それは他の石ころよりも大切なものになる。
子どもが自分のために描いてくれた絵は、
どんな有名なアーティストの絵よりも、
心を動かすものになる。
わたしたちは思う。
「もの」の価値は、手にした人が心を動かされた
瞬間に生まれる、と。
わたしたちは思う。
「もの」の価値は、手にした人が心を動かされた
瞬間に生まれる、と。
We are secca.
secca is
Innovative Artisan
Create Product,
Evolve experience,
Innovate Value.
新しいカタチを創造し、
体験を進化させ、
手にした人の心を動かす。
A creative roots of secca
A creative method of secca
Restaurant L’aube
東麻布の住宅街にひっそりと佇むフレンチレストラン、
Restaurant L’aube。
restaurantL’aubeのオープン前、
シェフの今橋さんとパティシエの平瀬さんから、新しくつくるレストランのショープレートを作って欲しいという相談を受けた。
L’oubeの意味である、「始まり、夜明け、誕生」、日の出の直前や、花が咲くまえの蕾のような、コースという物語が始まる直前の期待を感じてもらうためのショープレートが必要だと。
何度も打ち合わせをし、試作し、作り上げた「timelessness」という名のショープレート。メビウスの輪を想起させるこのオブジェは、どうなってるのか触ってたしかめたくなる意匠で、
実際にrestaurantL’aubeに訪れた人たちは、実際にこのオブジェを手に持ち、さまざまな角度から見回しながら、これからどんな物語が始まるのかという期待を感じていた。
ショープレートの開発からはじまった、restaurantL’aubeとの出会い。
私たちはショープレートの打ち合わせの合間に、料理やものづくりの考え方を何度も共有した。
今橋さん、平瀬さんにとって、器とはただ料理をのせるものではなく、自分たちの料理を拡張してくれるような存在であったり、器も含めて料理だと考えていた。
料理から器を考える。
器から料理を考える。
Seccaの考える、シェフとの関係性。
それはお願いされて造るのではなく、
それぞれの領域のクリエイターのアイデアが掛け合わさり、
一緒により新しい食体験をつくり上げていくこと。
RestaurantL’aubeと、seccaは、今後も新たな食体験を作り上げていく。
川井憲次さん、と。
映画音楽の制作などを手掛ける作曲家、川井憲次さん。
“ギターでもベースでもウクレレでも三味線でもない、国の匂いのしない弦楽器が作りたい。”
新しい楽器制作は、この一声から始まった。
それはつまり、この世には存在しない新しい楽器を作るということ。
あらゆる素材や構造を探っては試しの繰り返し。
納得のいく音が出せず苦悩する日々もあったが、一つ一つ音質の評価を川井さんと積み重ね、徐々に楽器の輪郭が固まってきた。
ある日、新素材のカーボンに触れる機会があった。薄い板を手に取ってノックしてみる。「これは良いかもしれない。」
自分の中でぼんやりとしていたイメージが固まった瞬間だった。
この時点で開発期間は、一年半の月日が流れていた。
東京の人混みをかき分け、川井さんが待つスタジオにこの楽器を持ってきた。
楽器を手にするやいなや、
川井さんから奏でられるその楽器と音色は瞬く間に川井さんの世界観と融合していた。
この特殊な楽器を器用に操り、様々な音を出しながら音色を確認していた川井さん。しばらく弾いてから一言
「いいですね。」
金沢を拠点に活動するseccaにとって、伝統工芸は切っても切り離せない存在である。
現在、伝統工芸は長く受け継がれてきた技術のことをイメージすると思うが、
私たちが本当に受け継がなくてはならないことが他にもある。
それは、伝統工芸が伝統工芸と呼ばれるよりも前、
当時のクリエイター達は、ただすごいものをつくりたい、求めてくれる人の心を動かしたい、
そういったシンプルな欲求によって生みだした技術が、結果として時代を超えて今に受け継がれている。
私たちが受け継ぐべきこと、それは技術をただ継承していくだけでなく、現代にいる人たちがただすごいと思い、
心を動かすようなものづくりに挑戦し続ける、その精神なのではないかと。
そして、seccaが受け継いだ技術と精神を未来のものづくりに受け継いでいく。