japan? (2016年)⠀
artisan | 柳井 友一 / Yuichi Yanai 上町 達也 / Tatsuya Uemachi 北出斎太郎 / Kitade Saitaro 百瀬 玲亜 / Reia Momose 石蔵 政嗣 / Masatsugu Ishikura 角田 和也 / Kazuya Sumida |
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material | ナイロン / nylon |
finish | 日本漆、中国漆、ウレタン / japan-Japan , japan-China , Urethane |
size | W685mm H410mm D650mm |
KENPOKU ART 2016 出品 |
2016年に開催された茨城県北国際芸術祭に出品したアートピースです。
英語で「japan」とは、漆を意味します。
その起源を縄文時代にまで遡る漆は、塗料や接着剤として日本の文化を担ってきました。
しかし江戸時代からはじまった中国やベトナムからの輸入は明治以降に加速し、現在では97%を超え、前世紀のウレタン塗料の登場で、和漆は希少なものとなっていきました。
メビウスの形をした本作品は、3つの同じ形状のパーツを組み合わせて構成されています。⠀
これらにそれぞれ、高い透明度を誇る国産奥久慈の漆、中国産の漆、そして漆を模したウレタン塗料を塗り分け、組み合わせ対比させています。
注意深く見比べても漆の違いを見分けることは困難です。そしてそもそも見分けることに意味があるのでしょうか?
現在、日本で「漆器」と表記されている廉価な製品のほとんどが「ウレタン塗装」による仕上げで、日常的に様々な食事シーンで見かけます。⠀
まるで日本を代表する工芸素材であるかのような「japan=漆」の価値とは一体何なのでしょうか?
本作は答えを見出すことや、漆の価値を否定することが目的ではありません。
我々日本人が漆の価値とは何なのか、今一度鑑賞者と議論するキッカケを造形しました。⠀
For:茨城県北芸術祭(2016年)⠀
Design:secca inc.⠀
Photo: 高橋俊充