謡が降る (2020年)

素材: 不燃合板

この街を歩くと、謡が降ってくる
それは、川の向こうから
あるいは、二階の窓辺から
金沢は、唄に満ちている
湿潤な空気に唄が混じり合い、この街を潤している。

加賀藩歴代藩主が能楽を愛した金沢は「謡が空から降る町」と呼ばれています。
東茶屋街・西茶屋街・主計町などの「茶屋街」で親しまれているお座敷唄もまた、金沢の文化を醸成しており、今でも街を歩くと「唄」が耳に入ってきます。

石川県金沢市にある「CROSSGATE金沢」の2階にあるフードコートFOODCLUB内の天井に配置されている十字板のオブジェは、金沢に伝わるお座敷唄「金沢小唄」の楽曲を構成する「唄」「三味線」「太鼓」それぞれの強調される音の高さをプログラムによって段階的に可視化し、楽譜のように配置しています。
まず、金沢小唄の要素をSTFT(短時間フーリエ変換)を用いて周波数成分を抽出し、時間軸をオブジェの本数(347本)で区切ります。その後成分の重心を求めて高さを7段階に分類し楽譜の配列で3で分類したパーツを配置して天井から吊り下げました。

十字に組まれた構造は人と人との交わりを表し、創造都市金沢における様々な文化の交流がこの場で生まれるようにと願いを込めました。