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eAT KANAZAWA 2017 トロフィー製作

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2017.01.29

(movie:森崎 和宏)

毎年最も冷え込む1月末の金沢は、1年で最も熱いと言っても過言ではない。
それは世界的に活躍するクリエイターが金沢に集結し、夜通し熱く語り合うイベントがあるから。
そして、追い打ちをかけるように美食がグルメなクリエイターたちをこの地へ引き寄せる。

eAT KANAZAWA(electronic Art Talent KANAZAWA)

今年で21回目を迎える本イベントは普段会うことすら難しいクリエイターが一堂に会する。こんな贅沢なイベントは他に類を見ない。
今年も熱気ムンムンの内容で消化しきれない満足度だった。
昨年に引き続き、本イベントで優秀なクリエイターに贈るアワードのトロフィーをseccaで担当させていただいた。
依頼内容は本イベントの実行委員長であり東北新社・専務執行役員である中島信也さんの顔を3Dスキャンしそのデータを使って何か提案してほしいという内容だった。

この無茶振りを楽しめる余裕をいつの間にか身につけた我々が検討した末、seccaが持つ技術力の粋を集め、
「中島信也 起上がり」が完成した。
驚くほど昨年とはテイストが異なるが、まさに「自然とこうなりました。」

ちなみに大賞は「この世界の片隅に」の片渕須直監督に贈られ、受け取っていただいた時に見せた複雑な表情は見なかった事にする。

来年のeATが既に待ち遠しい。


eAT KANAZAWA
http://eat-project.jp/

CES2017 視察 2017.01.04-07

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2017.01.09

この度、毎年ラスベガスで開催されるCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)の視察を行った。
seccaではプロダクトデザインの受託も行っており、クライアントの製品が出展されていることや、自社製品においても最新のテクノロジーとアナログ技術を掛け合わせた開発をベースにしているためである。
備忘録として所感をここに纏めておくことにする。
また、詳細の報告に関しては各メディアから山ほど報告が上がっているため、ここでは感じたことを中心に書き残すこととする。


【全体を通して感じたこと】
電気製品は利便性を追求することや、スマホのように何でも1枚の薄っぺらい板に集約する時代も峠を越えた。ライフスタイルに合わせた選択をするという単純な事でもどうやらないらしい。
着実にステージが更に一つ上の階層に移行している。
何か問題を解決するために道具を得ることに限らず、個人個人が自分らしく在るための目的でもあり手段としても道具を求めているようだ。
人と道具の距離感がさらに縮まり、或る意味道具の存在が曖昧になり人と寄り添っている感じが色濃くなってきた。
好みの生地感や色彩を持つ衣類を選択をするような感覚で電気製品を選ぶようになってきたように感じる。
所謂家電においても、黒物家電とか白物家電というカテゴライズは死語になりつつあり、もはや境界線はなくフラットで、人とその人の生活とどれだけ自然に共存できるかが、近未来における電気製品の評価軸だと感じた。

今回個人的に興味深かったトピックスはざっくり以下
・5Gの世界へ
・スマートホーム / ホームロボット
・自動運転本格化
・AR / VR
・3Dプリンターの進化
・ヘルステック / ビューティテック
・sands出展のベンチャーの実力


各トピックスを私見で纏めてみる。

【5G世代へ】
嘘かホントか、会場の5Gデモでは通信速度が「14GB/s」出ており、それが当たり前になる日が来るとなると、あらゆるハード・ソフト共に概念が大きく変わるのは言うまでもない。
データをローカルで処理して管理することはいよいよ過去の事になりそうだ。
例えば、私たちが毎日使っている3DCADもそう。今は高価でどこにも持ち運びができない巨大なマシンを使うも、少し細かな作業するとファンが唸り声をあげ、青い輪っかがクルクル回り始めるが、おそらく近未来では薄いラップトップで十分動くんだろうと想像できる。
5Gのインフラが整えば、屋外でのネットワーク環境がガラッと変わるため、各ハードを含めたコンテンツの可能性がグっと高まる。実際今回のCESでは各社その世界へ向けて準備をしている印象だった。
スマホにいろんな専用機が取り込まれている時期は、今後のモノづくりがシュリンクしていくのかと一瞬つまらない未来を想像したが、逆に今後はサービス含めて多様なモノが生まれてくると期待が高まった。

余談だが、小中学校の授業では、災害時に備えアナログで情報を交換する方法を教えておかないといけないのかもしれない。
或いは、データの存在があまりにも透明であるため、データの扱い方が倫理の授業になるのかもしれない。
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【スマートホーム / ホームロボット】
今回は各社「smart home」というエリアを設けていた。
私見ではその世界を最もスマートに伝えられていた家電メーカーはLGだった。
スペック等ではなく、テクノロジーによって実現する未来の体験を感覚的に訴えつつ、簡潔に纏められており、言いたい事がスッと入ってきた。
他社は想像するに各セクションが担当したモノを取り合えず1箇所に集めたという感じになっていた印象。

ホームロボットに関しては、個人的には人型である必要あるのかな?と思っているため、多くの会社からpepper的なモノが提案されていたが、ぜんぜんピンとこなかった。
amazon echoやgoogle home,今回発表されたLenovoのSmart AssistantやNVIDIAのGoogle Assistant対応みたく、或る意味物理的な存在感がなく生活に寄り添っている方がしっくりくる。
また、今後の国内製品も海外の事例のように自社製の規格で束ねるのではなく、こういうものこそフラットにあらゆるものが繋がってほしいなと期待する。各会社ごとにコントロールがあっては全然スマートではない。

また、ホームコントロールの管理領域を今後どのように広げるかに興味がある。これまでの消費電力の効率化等に留まらず、AIの活用と共に個人個人の生活をより良くするアイデアが加速するだろうし、その時にデザインにはどのような価値が求められていくのか考えていきたい。
例えば、今回Sleep Numberからスマートベッド「360 smart bed」が発表されており、本製品は体調や寝ている際の姿勢に応じてベッドの形を変化させ質の高い眠りを提供してくれるシステムであるが、カーテンのような調光やライティング、空調やアロマなどの眠りに関係する住設備と互いに連携し、ユーザーにとっての最適な組み合わせを提供してくれると一層利用価値が高まる。このように、あらゆる物をどのように繋ぎ合わせ、どのように連携させていくのかというアイデアが求められてくるだろう。

LG:OLEDの展示風景
img_9794 LG:ホームロボット(画像はhub)

Sleep Number:360 smart bed


img_9818 Panasonic:gogoro社用の交換バッテリーや次世代のリチウムイオンバッテリーが良かった。

9870_n sony:環境音を取り込みつつBGM的に耳元だけ聞こえる指向性スピーカーの考え方が良かった。

img_9844 SAMSUNG:押し出しアルミ材を採用したオーディオセットが良かった。


img_0064 今回CESではさくらインターネットのブースにて株式会社tsumugのスマートロックも出展されており、同社のプロダクトデザインをseccaにて担当させていただいているため来場者の反応を観ることが視察の大きな目的の一つだった。本プロジェクトメンバーのエンジニアの方々の努力によって素晴らしいデモを実現することができた。未だプロトタイプの段階であり実現へ向けて今後も改良をしていく計画である。



【自動運転本格化】
NVIDIAやIntel、Qualcommといったチップメーカーの競争が激化し、各自動車メーカーの参入も本格化したことで今後一気に進化が予想される。
展示自体はモノが大きすぎるため、来場者が肌感覚で自動運転の世界を体験することはできなかったが、業界の動向は大きく感じ取ることができた。
先述の5Gの世界も合わさり、人工知能による環境適合は驚くほど精度が上がってくるだろう。それに伴って、カメラの画像解析技術が劇的に飛躍することが予想できるため、車以外でカメラを主要なセンサーとして活用しているプロダクトにも何かしら影響が出てきそうだ。
今回期待していた自動運転が前提の世界になった時に予想されているカーシェアやシェアライドが普及した時の未来を可視化している事例は少なかった。モーターショーではないため、機能的な面に絞られていたかもしれないが、人と車の関係を各メーカーがどのように想定しているのかもう少し覗いてみたかった。
個人的には所謂スーパーカー世代ではないため、車の所有欲はそれほど高くない。そのため、その日その時の用途にピッタリな車を使えた方がよっぽど価値を感じる。
隣町まで打ち合わせに行く時はパーソナルモビリティを使い、仲間とキャンプに出かける時はキャンピングカーを、デートの際は会話がし易い車を選ぶといったスタイルが理想的。そうなると、各用途にカスタムして貸し出しをするレンタカー屋が賑わいそうだ。
裏側を見ると、運転そのものが好きな人向けに、危険な状況だけを確実にサポートしてくれる操縦重視型の車種も一定数流行りそう。カーデザイナーの役割はカッコよさ以上に家具をデザインするような感覚が大切になっていくのかもしれない。
今学生なら車メーカーを候補に入れているかもしれない。
img_9924 メルセデス・ベンツ:バンとドローンを組み合わせた配送ソリューション


【ヘルステック / ビューティテック】
fitbitが良い事例だが、これまでの製品に加え各ブランドとタイアップし、より自然な形でファッションに力を入れている印象があった。
スポーティなデザインしか選択肢がないとなると、普段装着するのに抵抗がある人も少なくなかったはず。こういった製品においては固定のデザインでブランドイメージを作るというより、多様な選択肢を用意できていることも大切な評価軸になる。いっそ中心部のシンプルな意匠のモジュールだけ幾つかのバリエーションを提供し、サードパーティの参入を歓迎した方が利用者は増えそうな気がした。毎日装着することで定点観測することや、サンプル数を増やして相対評価が重要であるプロダクトであるからこそである。

また、これまで心拍や体温の変化、1日の歩数等を測るだけならそんなに必要性を感じなかったが、あらゆるものが繋がってくると状況は違ってくる。Polar等が発表していたプロ向けのセンシングウェアや、先述のSleep Numberのスマートベッドなどの他のヘルスケア製品と横の連携ができるようになるとさらに利用価値は高まりそうだ。
そうなると、個別の管理アプリの在り方が一層購入動機になるため、スマートホームと同じようにバラバラさせないで一つに束ねる柔軟な対応が求められてくる。さらに、スケジュール管理アプリと紐付けつつ、仕事量をマウスやPCカメラでの視点のトラッキングから測ったり、カメラアプリの画像解析から栄養分析するといった事がどんどん連携していき、個人の生活スタイルを尊重した形で負荷がかかっている部分や、効率の悪い部分を意識化できると、健康管理が仕事の一部になる我々のようなユーザーには重宝される。
今後は各企業がお互いの得意分野を共有し合うことで、双方で利用価値を高めていく柔軟なスタイルが拡がりそうだ。
img_0055 fitbit:多様な選択肢

ビューティテックでは、数年前から資生堂が店舗で導入していたコスメを事前にミラーに映る自分の顔に合成して確認するといったプロダクトが数多く展示されていた。画像合成の技術がかなり進歩しており、合成感がない自然な像が見られるため、いよいよコスメのECサービスと連携したサービスが本格化すると感じた。
その他、ネイルアートの画像をダウンロードしてUVプリントしてくれるプロダクト等も展示されており、ラインスタンプのようにネイルアートのデザインをアプリに投稿して内職する人も増えてきそうだ。これまで手先が器用な人しかネイルアーティストになれなかったが、今後どのように手書きとプリントが共存していくのか興味深い。
img_0038 O’s NAILS:アプリでダウンロードしたグラフィックをプリント

you can make up:メーキャップのシュミレーション



【AR / VR】
今回出店数がかなり多かったのがこの分野であり、来場者の人気も高かった。
これまで言われてきたことでもあるが、コントローラーに振動フィードバックを内蔵したグローブや、稼働するシートをセットで提案している例もちらほら見かけた。ジャイロセンサーの反応もひと昔前に比べたら飛躍的に改善されているため、没入感がさらに増している。今後直近ではソフトも含めて大きな市場になることは間違いない。
当然コンテンツの充実が不可欠であるが、個人的に期待しているのは実世界とのバランスを考慮したコンテンツである。各コンテンツ製作者は、実世界に与える影響等に関して明確な倫理的ポリシーを持って開発してくれる事を期待する。体験している方は感覚的にお解りだと思うが、とにかく没入感が凄い。CGコンテンツのリアリティも相当な進化をしているため、その分ユーザーに与える影響は計り知れない。 この素晴らしい技術が人にとってより良い方向に進化することを願っている。
別の角度で見ると、海外旅行が体験できるといった実体験の擬似体験系コンテンツが出てくることも容易に想像できる。物理的に海外旅行に行けない方等にとって夢のあるコンテンツだと思う一方で、本当は実体験の方が良い体験を事前に満足させてしまい行動に対して無意欲にさせてしまうことも想像できる。
保守的な意見に思われるかもしれないが、リアルとバーチャルの上手い関係性を意識しながら双方を高め合い、あくまで「好奇心」を後押しするようなコンテンツを期待する。旅行系であれば、この世に存在しない世界をCGで創り出し、その世界の魅力で競い合うような市場になったらいいなと。
その他にはやはりバーチャルならではの、視点のスケールを変えてミクロやマクロの視点で現実世界を体感するといったコンテンツの発展も期待している。これらは一般ユーザーだけでなく教育や医療にも役立つのは間違いない。



【3Dプリンターの進化】
今回のsandsの展示会場では3Dプリンターだけで1/3は占める勢いだった。
その殆どがフランスと中国の企業というのも印象的。3Dプリンターは我々も日常的に活用しているだけに、着実な進化を感じた。
精度の向上やサイズのバリエーションだけでなく、価格は未だ高いものの金属やセラミック、カーボンといった素材が卓上サイズ程度の設備でできるようになっていた。他にも水溶性の素材をサポート材として使用することで、これまでサポート材が必要でありながらサポート材除去が困難だった複雑な造形を出力後に水に浸すことでサポート材を溶かして除去するもの等々、ヘビーユーザーの抱える問題の痒いところに手が届くアイデアが提案されていた。精度の向上とカーボン素材等による強度の進歩によって、卓上のFDM方式の3Dプリンターで完成度を担保した製品が作れる日も遠くないと期待が膨らんだ。実際にパーツの殆どを3Dプリンターで造形した自転車が展示されており、その完成度に驚かされた。
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2種の素材を同時にプリントできるFDM方式の3Dプリンター


img_0146 測定検査機能が搭載された金属3Dプリンター(ステンレス)


パーツの殆どが3Dプリンターで作られた自転車

seccaでも導入しているEinScanの最新モデルでスキャンしている様子



【sands出展のベンチャーの実力】
展示会場は規模感によってエリアが分かれており、sandsにある会場はベンチャー企業が集まっており、その一角の小さなブースが立ち並ぶエリアにはスタートアップが数多く出展していた。
驚いたのはその完成度。軽いノリでオモシロイでしょ?といった温度感ではなく(そういった物もあるが)、実際に稼働するハードとソフト、サービスまでしっかり設計されたものばかり。
一区画にフランスのスタートアップがズラッと並ぶエリアがありその数に圧倒されたが、聞くと国の支援も充実しており、出展に関してもバックアップがあるとのこと。スタートアップのやる気とそれを国レベルで後押しする仕組みがしっかりと結実していることに感心した。

プリント面をセンシングし、オフセットしながらプリントできる3Dプリンター

ミニマルな表示でガイドしてくれる自転車用のナビ

スマホ対応のフェイス3Dスキャナー

ワインのブレンダー

VRと連動した体感装置

スイッチで演奏するエレキギター
img_0216 海底100m以上も遠隔操作できる水中カメラ
img_0274 以前話題になったスマホとVRで操作できるラジコン紙飛行機
img_0278 アラートで処方をアシストしてくれるピルケース
img_0265 ビール製造機
img_0266 子供用のモバイル
img_0280 東大の研究チームが発表していた伸縮しても通電できるファブリック用の導線印刷技術


世界最大のエレクトロニクスショーということもあり、世界中の優れたアイデアとテクノロジーが凝縮されており、想像を上回る熱で包まれていた。ラスベガスのこの限られた空間の中に計り知れない知恵と努力が集まっていること自体に感動を覚えた。一方でこれだけのモノと技術を生み出すために想像を絶するエネルギーが消費されている事もまた事実である。モノづくりを担う一員として限りある資源をどのようにして有意義な価値へ転換し次の時代へ繋いでいくのか、今後も私たちなりに考え続けていきたい。


2017年01月09日

KENPOKU ART 2016

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2016.11.22

main
KENPOKU ART 2016が先日20日にて無事終了いたしました。
1日では回り切れない程広大な範囲に渡っての開催、
参加アーティストも幅広く、見ごたえのある芸術祭でした。
seccaもお声掛けいただき、漆の原料の産地でもある大子町にて展示をさせていただきました。
ご来場いただきましたみなさま、運営してくださったみなさま、誠にありがとうございました。
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今回展示させていただいた作品のタイトルは「japan?」


漆は英語で「japan」と言われるように日本を代表する工芸素材でありながら、一方でその価値がわかり難い素材でもあります。

現在(実はかなり以前から)国内で出回っている漆の95%以上は中国産が使われており、漆器の産地でさえ国内産の漆を使っているところは限られています。
また、国産漆を使いたくても漆を作るのに従事されている方が少ない事から出回る量が極端に少なく、手に入っても高価であるため使いたくても手に入れられないのが現状です。
漆の樹液を採取するために使用する道具を作れる職人さんも現在お一人しかいないと伺いました。

古くから雑器にも多く使われ日本人が慣れ親しんできた素材なのにとても距離があることに対して違和感を感じました。
私たちも漆を素材として扱う立場として、その疑問を多角的に見つめていきたいと考えています。

そして今回、芸術祭という機会を借り、漆の価値は一体なんなのか、みなさまも交えて今後考えていく「キッカケ」を造形しました。
この立体は同じ形をしたパーツを3つ組み合わた三つ巴のような形態をしています。
そのパーツの一つは「日本産の漆」、一つは「中国産の漆」、最後の一つに「漆に似せたウレタン塗料」を塗布してあります。
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作ってみて、視覚的な情報だけでは価値が分からない(見分けられない)ことが判りました。
しかし、漆は成分の中に含まれるウルシオールという酵素の働きによって空気等と反応をして硬化したら、強酸にも負けない耐久性や高い安全性があったり、小さな孔が程良く水分を保有していることから手触りや口当たりが優しい、メンテナンスすれば繰り返し使うことができるといった素晴らしい特徴があります。

そもそも視覚的な情報だけで価値を判断する事はナンセンスで、もっと踏み込んで紐解いていく必要があると感じています。
また、国産漆に拘ることの真価はどこにあるのか等、漆をめぐる疑問を今後も作品を通して研究していきたいと考えています。

今回の作品はこういった事を考えていく上で、あくまでキッカケにしか過ぎません。
少なくとも工芸素材を扱う立場の作り手が漆に限らず、作品を作る前後にある問題や課題を見つめていく必要があると感じ、問題提議の意も含めた作品を制作させていただきました。
モノで溢れた現在、作ることの弊害も色々と明らかになってきた現在だからこそ、モノの前後に潜む価値を判断することを大切にしていきたいです。
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(撮影:木奥恵三氏)

Casa BRUTUS 創刊200号記念号 掲載

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2016.10.09

雑誌カーサ ブルータス創刊200号記念
「BEAMS JAPAN Meets Casa BRUTUS」にseccaの器を掲載していただきました。
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掲載商品はBEAMS JAPANのオンラインストアか新宿にあります店頭でお買い求めいただけます。


【サイトtop】
http://www.beams.co.jp/special/casa_beamsjapan/

【商品毎の紹介ページ】
CUP
http://www.beams.co.jp/item/58967130321/
scoop L
http://www.beams.co.jp/item/beams_japan/tablewear/58967154321/
scoop M
http://www.beams.co.jp/item/58967155321/

ISETAN新宿本店 展示販売スタート!

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2016.08.17

secca4年目はじめての展示販売が始まります!!

それに先立ち、ウェブサイトではseccaの考え方を少しだけご紹介したいと思います。


seccaではものづくりにおいて大切にしている事がいくつかあります。
その中でも今回の展示に関わる事を少しずつご紹介していきたいと思います。


まず最も大切にしていること
「作り手の表現を尊重する」


これはseccaらしいメーカーの在り方を考えた結果です。
seccaには一人で作家や表現者として十分生きて行ける人材が集まっています。
メンバーの多くは大手メーカーに勤務した経験を持ち、当然”辞めて”います。
辞めた理由はそれぞれですが、共通するのは「理想のものづくりができないから」です。
「理想」とは主観が非常に強い観念であり、大手メーカーのものづくりが悪いという意味では決してありません。
単に作り手として肌に合わなかっただけなのです。
大きな組織ではどうしても意思決定や業務連携などあらゆるチームプレーが縦割りになり、責任の所在も曖昧になってしまいがちです。
上で決まった事が降りてきて、それに基づき自分のアイデアを上に吸い上げる。
横からインプットを受け取り、自分のアウトプットを次に渡す。etc…
ビジネスとして参考になり学ぶべき点は大いにありますが、意思決定や意思伝達の複雑さが、作り手のものづくりへの愛情を空回りさせているように感じました。
作り手はエゴだと言われようが、最高のモノをユーザーに届けたいというシンプルな想いがモチベーションになります。


seccaでは小さな組織だからこそ、メーカーの理想のカタチをデザインしようと企んでいます。
その中でも今後最も大切にしたいのが、「作品」において作り手の意見や発想を最も尊重することです。
ものづくりへの愛情ほど、素晴らしいモノを生み出す種は無いと信じています。
また、ものづくりを愛する人ほど向上心が高く、他からの意見を真摯に受け止め、それを自分なりに咀嚼して吸収する力に長けていると思います。
同じ意識を持つ作り手が集まり、互いに厳しい意見を出し合い、質の高いアウトプットが互いの刺激になり、互いの技術を高めていく。そんな組織を目指しています。
作り手は怠けたいという欲を持つ者はまずいません。寧ろもっともっと納得いくモノが作りたい。直向きにそう考えているものです。
会社として作り手が最もパフォーマンスを発揮できる環境を徹底的に整えていく事が今後の目標です。


w_yanai_02Photo:Kazuhiro Morisaki



今回の展示では弊社「柳井色」全開の内容となっております。

柳井のこれまでを簡単に振り返ってみます。
柳井は以前大手メーカーのプロダクトデザイナーでした。
しかし、消費サイクルが早いマスプロダクションの世界に抵抗があり、「永く愛され続けるモノづくりがしたい」という想いを胸に陶芸の世界へ飛び込みました。
基本であるロクロ成形から学び、技術を習得していく中で、「自分にしかできない表現とは何か」と模索した結果導き出したのが、メーカー勤務時代に叩き込まれた3Dモデリング技術と手技を掛け合わせる事だったのです。

”3Dデータを使った陶芸”と言葉だけ聞くと、「楽をしている」「それは工芸じゃない」などと言われる事もしばしば。。
しかし、私たちデザイナーにとって3Dモデリングツールは職人が使うノミやカンナと全く同じ「単なる道具」なのです。
使う人の技術の積み上げがそのまま意匠に現れ、意図した造形を完成させるには試行錯誤が付き物です。

手仕事とデジタルツール、それぞれの良さを理解し、共に技術の高みを追求する柳井だからこそできる表現が存在します


w_yanai_01Photo:Kazuhiro Morisaki



そんな柳井が今回製作したのは茶碗や盃などロクロ仕事で全て手作業で製作したものから、3Dモデリングツールを使って、数学的な美しい曲線を駆使して製作したプレートまで取り揃えております。
アナログとデジタル両方の作品を同時にご覧いただくと、柳井の本質が見えてくると思います。

お近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。
心よりお待ちしております。



会場:ISETAN新宿本店本館 5F ウェストパーク
会期:8月24日(水)~9月6日(火)
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